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エレファントピア

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カンボジアの農業

先日、シンガポールのとある婦人団体の主催で開かれた女性のためのワークショップの夕食会に出席してきました。そこで知り合ったカンボジアの公務員の女性から、この国の農業事情についていくつか聞きかじりました。忘れたくないので、基礎知識と共にここに書きとめておきます。

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1.カンボジアの人口は約1336万人。その9割がクメール人であり、その8割が農民である。

2.主要農産物はもちろん米。

3.米以外にも、カシューナッツ、コショウ、果物類などの農産物が生産されている。しかし国内需要を満たしてしまうと、輸出の手立てがない(知らない)ために、多くの農産物が廃棄されてしまう。

4.農民たちは基本的に年に一回しか収入を得ることが出来ない。そのため外資系(米輸出?)企業に米を貸し付けてお金を借りる。しかし返済後、より質の悪い米が農民の手元に戻される。

5.中国、タイ、ラオス(!)などの外資系企業はカンボジア農民から買い付けた(貸し付けた)質の高い米(例えばソマリ・ライスなど)を自国のパッケージにして海外に輸出している。

6.カンボジアにはこうした不公平な取引に対して歯止めをかけるような公の組織(農協)がない。

7.農業が立ち行かなくなった農民は企業に土地を売っていくばくかのお金を得るが、都市生活のものの価値を知らない農民はしばしば不当に低額のお金を渡され、土地を失った後、何も残らない。(こうした土地問題は、毎日のように新聞に載っている。)

8.買い取られた土地は工業・観光用地として更地にされるが、投資が続かずに更地のままになることも多い。

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などといったことを教えてもらいました。
なるほど~~~それで農協って必要だったのか~~、それで農業って保護されてるんだ~~~
と、ものすごくいまさらながら感じた次第。

カンボジアの郊外で、8のような更地なんかを見ると、すごく「廃れた」感じがします。
農業が廃れると国土はどこか、疲れて、廃れて見えるようです。(私には)


(2006年5月22日)


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